| オリジナル |

表参道の地下鉄で改札に行く途中、
なんか見覚えのあるイラストが目に入った。
(あれ?あたしのイラストか?)
と思ってよく見たら、イラストのキャラクターの頭部分は
私のキャラクターとソックリ。色使いも似てる。服装も似てる。
手と胴から下がちょっと違うのだった。
(あ、私のやつのパクリだ!)
と思い、更によく見た。
手の指が5本あって、胴がだらしなくだらーんとのびた感じ。
何だかおかしくなって、笑いそうになった。
やっぱそのまんまだとマズイから、
いろいろ変化つけたんだー、うふふ。
そういえば、前にも、もろにパクリと思われるパンフがあった。
最初は(ちぇ、誰かにパクらせるんなら私に仕事頼んでよ)と
思ったけど、じわじわとささやかな優越感が湧いてきた。
「私のがマネされている!」
なんて素晴らしいんでしょうか。
だってこういうのがいいと言う人がいて、
「これをマネして描いてください」とか
言われて、言われた人がマネして描いてるんだよー。きっと。
どこかで、知らない人が。
なんたる光栄!
マネされるってなんだかいい感じ。
何もかも同じだったらヤバイ事になるんだけど。
マネの必要があるからマネするわけで。
うれしい事かも。
マネされてるのは似てるんだけど、
微妙に違う。色使いとか鼻の形とか。
多分私が、やらないような。
ちょっと違う感覚。
実は私もマネして作ってた事あるし。
でも、完全にはマネできないもの。
似た様なもの作っても自分のカラーが出てしまう。
マネするひとを通って出てくるマネしたものは
何か違うものになっている。
この世には完全なオリジナルなんかなくて、
でも、この世に生きてるものそれぞれがオリジナル。
みんな何かをマネしてるけど、同じものなんかない。
ゴッホかなんかも日本の浮世絵を模写してたけど、
ゴッホ味の浮世絵だった。
その人のにおいというか、味というか、
感覚だとか経験だとかクセだとか、
いろんなものがマネしたものにミックスされる。
それまたオリジナル。
マネされてたイラストからは
知らない誰かのにおいがした。
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