"Love Love Love" 「本でも読んでよっかな・・」 まさか外に出るわけにもいくまい。 人に見られたらどうなることか・・・。 ちょっとだけ怖いので深く考えずに、近くにあった本を手に取る。 勉強が好きだとは思わない。 思わない、が、新しい知識を吸収するのは面白いことだと思う。 それを覚えるかどうかは別として。 西園寺と七条のおかげで、常に新しい本が部屋にある状態だ。 読んで損はないだろうと、ぺらりとページをめくる。 +++++++++++++ しん、とした部屋。 時折、早いペースではないがページをめくる音が響く。 ふいに響いてきた、足音。 「・・え・・?」 啓太が首をかしげる。 まだ、公務から戻るには早すぎる。 それとも・・・七条だろうか。 なんとなく足音が荒い気もするが、 ここに来るのは、七条と西園寺しか居ないはず。 「・・・なんでこんなに足音が荒いんだろう・・・」 啓太が首をかしげても、 答える人物がいるわけもない。 +++++++++++ 「・・・もしかして、急ぎの用・・・なのかな・・・」 「・・・もしかして、西園寺さん達じゃない・・のかな・・」
|